石井亮一・筆子記念館
2002年度、滝乃川学園本館として国登録有形文化財指定
1928(昭和3)年に竣工された昭和初期を代表する教育建造物で、本学園の研究活動の中心として使用されていました。廊下、階段の造り、採光等、障害者への配慮がなされた建物となっています。
1928(昭和3)年に竣工された昭和初期を代表する教育建造物で、滝乃川学園が同年現在地に移転以来、知的障害児者教育・福祉の実践を支えてきました。災害時の避難を想定した造りの廊下、各段が低く、ゴム張りの工夫がされている階段、採光に配慮した窓等、創立者夫妻による知的障害児者への配慮が具現化された建物です。
木造のモダンな近代建築で、当時1階には教室(学園利用者用、付属保母養成所用)を、2階には講堂等を備えていました。立面は、アーチ付きの玄関ポーチを中心に広がる水平線を強調したデザインで、整然と配された窓と相まって明快で軽やかな印象を与えますが、講堂上部のドーマーと赤い屋根がポイントとなって全体を引き締めています。
支援者の皆様のお力により2007(平成19)年に保存修復工事を着工、2009(平成21)年に竣工し新たに「石井亮一・筆子記念館」としてよみがえりました。現在では、1階の教室は、学園、石井亮一・筆子夫妻を紹介する展示室として、2階の講堂は、研修、講座、コンサート等の会場として活用されています。